IC-7700のオーディオスペクトラム(1) ではRF Gainについて触れましたが、それ以外に「NR」がかなり効果的です。
CW帯域内のノイズが10dBくらい下がり、CW Pitch周波数(この例だと600Hz)近辺はさらに20dBくらい下がるという結果が得られました。私の環境は田舎なのでノイズは少ないほうかと思っていましたが、それでもNRの効果は絶大です。逆にNBは効いた試しはありません。。。NRは0-100%で可変できますが、50%以上にしても効果は変わりませんでした。
NRを入れた状態でRF GAINを絞ると、NR OFFよりもゲインが高い状態でノイズフロア近辺まで落ちますので、より高感度で受信ができます。
まとめると、
- CWをやるときは、まずNR(10%-50%)を入れましょう。S/Nが全然違います
→ただしDXみたいにに弱い信号だと逆に信号がなまってしまって聞きづらい時があるので時と場合で使い分け必要です
- RF GAINを絞って、「コー」というCW帯域内のノイズが気にならなくなるように調整しましょう
→ハイバンドなど信号が弱いときは適宜Pre Ampを入れたり、RF GAINを上げて調整します。ただ、RF GAINは最大でも90%くらいが「コー」が気にならなくてよいのではないかと感じています。
- AF GAINを上げて、聞こえやすい音量にしましょう
→オーディオフロアノイズが気にならない程度に。・・・実はこれが一番大事かも
オーディオフロアノイズが小さいのであれば、ガンガンAF GAINを上げて、RF GAINを下げるということができますが、実際にはすぐにフロアノイズが目立ってきてしまいそれほどAF GAINを上げられません。私はIC-7700をほとんどリモートでしか利用していませんが、LAN直接出力とヘッドフォン出力の2つのフロアノイズを比較してみました。
なんと、LAN出力のほうが10dBもフロアノイズが小さいです!ということはS/Nが10dBも良いということになります。LAN出力からCWサイドトーンが出ないので、しかたなくヘッドフォン出力を聞いていますが、できたらLAN出力を聞きたいところですね。(※ヘッドフォン出力をPCに取り込んでいるのでそのノイズの可能性あり。直接ヘッドフォンで聞くのであれば差はないかも?)
最後に、IC-7700がここまで叩かれるのは、オーディオ段に小手先のチューニングを加えずに信号を忠実に再現して出力しているためかもしれませんね。つまり音質ではなく了解度を求める通信用としてはもう少しやりようがあるかもしれません。
例えば、再現性は失われますが、オプションで1/fノイズをキャンセルする逆特性のディジタルフィルタが入れられれば、より了解度を改善できそうな気がします。(あとNRで真ん中がくぼんだようなf特ですが、レベル調整でフラットにもできたほうがいいんじゃないかと思いました。確証はありませんが、これが「コー」の原因の一つだったりして??)
とはいえ、フロアノイズは以前使用していたRigに比べれば格段に小さく静かなのは確かですので、巷で言われているほど聞こえないということはないですね。むしろトータルバランスに優れたいいリグだと思います。LAN経由でCWサイドトーンが送れない以外は・・・(しつこい hi)